K様という方からのお電話が管理部へ入ってきました。
「Yが入居しているアパートの解約をしてほしい」とのことでした。K様はY様のご友人で、この度の解約のお申し出には深い事情があるようです。
Y様は余命宣告を受けていた?
契約者のY様は現在入院中。余命を宣告されているとのことです。体調が優れず、電話をすることも敵いません。今後アパートを借り続けることが困難になってきたため、K様がY様の依頼を受け、代理で電話を掛けられているとのことでした。
事情は把握しました。しかし、ご本人の電話でなければ退去を受け付けることができない旨をご説明させていただきました。電話連絡が困難であるのなら、せめて、委任状があれば…。
K様という方からのお電話が管理部へ入ってきました。
「Yが入居しているアパートの解約をしてほしい」とのことでした。K様はY様のご友人で、この度の解約のお申し出には深い事情があるようです。
入院先とK様のご連絡先をお伺いしたところ、Y様の入院先まではお聞きできたものの、「身動きの取れない本人を代理しているのに、できないとの一点張りなんてひどい」とK様はご立腹され、「貴方が受け付けてくれないのなら、別の部門に掛けます」と、そのまま電話を切られてしまいました。
その後、他部門にもK様から電話がありました。「事情をお伝えしたが、先程のスタッフでは取り合ってもらえなかった」とのことでした。失礼のあったことをお詫びし、「再度管理部からご本人様へ電話連絡をすることはできないか」とお尋ねすると、「この電話はYのものを借りている。私が出るかも知れない」とのこと。
「Y様が近くにいるのですか」と尋ねればそのようでした。当部門では解約の受付はできないこと、管理部からご本人様との連絡をさせていただきたいことを繰り返しご説明したところ、「それなら本人と代わってみてください。本人なら、良いんですね」とK様。Y様に取り次ぐことになりました。
しばらくの間があり、応答がありました。「Y様ですか」と尋ね、お返事をされた方の声は、ひどく弱々しく、お話通り元気がないという感じです。
「管理部からのお電話に出ていただけませんか」そうお話すると「体が辛くて、難しそうです」とのお答え。
長くお話ができる雰囲気ではありません。しかし、毅然として「ご本人様からでないと、受け付けられないことになっているのです」と申し伝えました。
再び空白の時間。そして、電話は切れました。
多く見られる不可解な点
大病を患っているY様には酷な状況かもしれません。最も、これが本当の話なのであれば。
K様の主張には不可解な点が多く見受けられました。
そもそも、K様という人物は緊急連絡先になっていませんし、ご連絡先を尋ねれば「伝えることは出来ない」と濁されてしまいます。
Y様が居るはずの病院にも連絡を試みました。責任者の方につなげていただき事情をお話した上で、Y様という方が入院されているかを確認していただきましたが、そのような方はいらっしゃらないとのこと。履歴をたどっても、旧姓の可能性をあたっても、該当はありませんでした。
入居者Y様は常習的な家賃滞納が問題となっており、督促にも応じず、ついに保証会社側は訴訟準備に入っていました。
そんな矢先での今回の電話です。管理部では速やかに担当弁護士と対応方法のすり合わせを開始しました。
他部門への2度目の連絡があった頃には、調べは付いている状態。
ほどなくして、管理部に3度目の電話が掛かってきました。今回はY様ご本人、解約の申し出でした。先程とは打って変わって受け答えもはっきりしています。
先ほど、ご友人のK様と名乗る方からご連絡をいただいたことをお話し、「K様ですか?」と尋ねると「違うと思います。」という奇妙な返事が返ってきましたが、今回の電話を本人からのご連絡とし、現在訴訟準備中であることをご説明。今後は弁護士と連携して対応させていただくとして、受付完了いたしました。
まさに珍事…
訴訟に困った契約者様が、他人を装って解約しようと自作自演されたのでしょう。まさに珍事件といえる出来事でした。